Bump and Grind - ストリップティーズ

 

Bump and Grind  - ストリップティーズ

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「ダンス」という言葉を聞くと、まずどのジャンルを連想しますか?バレエ、ヒップホップ、ジャズダンス、シアターダンス、タップ、フラメンコ、フラ、ベリーダンス、日舞など様々な種類がありますが、そのカテゴリーに入れてもらえないダンスがストリップ(または「ストリップティーズ」)だと思います。簡単に言えば音楽に合わせて洋服を脱いでいくショーダンスです。起源を探ると400年ぐらい前からそれらしき事は行われていたようですが、娯楽として成り立っていたピークは1930年代ごろから1960年代ぐらいでした。男性が女性の裸を鑑賞するのが目的だった為、ある意味ダンスとしてみなされることが少ないのですが、音楽に合わせて動くので、間違いなく「ダンス」だと思います。

基本的にストリップは高度なダンステクニックを必要としませんが、その代表的なムーブメントに「バンプ」と「グラインド」があります。バンプとは腰を突き出す動きのことで、グラインドは腰を回すことです。実はジャズダンスのアイソレーションでもよくやる動きです。あとはステージを動き回りながらいかにセクシーに焦らして洋服を脱いでいくかがポイントになります。

1950年代ぐらいまではまだ性表現の規制が厳しく、乳首を露出することも許されていなかったので、乳房の先に小さな飾りをつけて隠し、乳房を揺さぶり、ぶら下げた飾りを振り回すというのがよくありました。自分がストリップの面白さを感じるのは1960年代頃までのスタイルで、それ以降になると、性産業がどんどん過激になり、露骨に全部見せてしまう世界になってしまい、「焦らす」面白さがなくなっていきます。それによってストリップという娯楽も衰退していった次第です。

そのような、今からみるとおとなしいレベルのストリップの時代をバーレスク(Burlesque)というキーワードでとらえることができます。日本でいう「ストリップ小屋」みたいな場所も意味します。ヌードの合間にコミックが入るようなショーを見せる劇場でした。自分がお伝えしたいこの時代のバーレスク、ストリップティーズのイメージを、もっともわかりやすく表現しているミュージカルに「ジプシー」という作品があります。その中で、間違ってストリップ小屋にブッキングされてしまったヴォードビルアクトの若い女性が、ベテランのストリッパーたちから、ストリップのノウハウを伝授されるナンバー「You Gotta Have A Gimmick」があります。「特殊な才能はなくても自分のストリップを印象付けるアイディア(Gimmick)が必要だ」という楽しい場面です。


ストリップでもうひとつ大事な要素に音楽があります。それは時代によっても違いますが、脱ぐのに合う音楽があって、どちらかというとスローなテンポで、脱ぐタイミングにあわせてアクセントがある音楽のことです。自分が子供の頃「8時だよ!全員集合」で加藤茶が「タブー」でストリッパーを真似て「チョットだけよ、あんたも好きねえ」というネタがありましたが、日本ではあれでラテンの名曲「タブー」がストリップ音楽の代名詞になりました。80~90年代になると「オリーブの首飾り」に引き継がれましたが。「タブー」より前は「ハーレム・ノクターン」がよく使われていたようで、年代によってストリップのイメージ音楽が変わってくるのも面白いですね。

 

そんなストリップがダンスのジャンルとして認識されていないのは、まず趣味でやろうとする人がいなかったからではないでしょうか?ダンススタジオでも「バレエ、ヒップホップ、ストリップ」などと掲げているところはないでしょう。プロを目指す人しかやらなかったと言えます。それと先ほど書いたように、性産業がどんどん過激になり衰退した舞台芸術であったことも原因でした。しかし、今静かにこのバーレスクの世界を復活させようという動きもありまして、世界中で昔のスタイルのストリップティーズをやる人たちがいます。昨年、ある仕事でご一緒した日本人のバーレスクダンサー、チェリー・タイフーンさんに出会えて、彼女がワークショップを開催したり、日本に留まらず世界でパフォーマンスをしたりしている事を知り衝撃的でした。1950年代頃は、ストリップは男性の性の欲望を満たすことが一番の目的であったのですが、それはAVやネット産業に役目を奪われた今、逆にストリップが舞台芸術のひとつとして再認識できる時代になったとも言えるのではないでしょうか。

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