ダンサーとして評価する歌うハリウッドスター  「ジュディー・ガーランド」編

かつてのハリウッドミュージカルで人気のあったスターの代表格にジュディー・ガーランドがいる。ジュディーは「アメリカの美空ひばり」的な存在で、現在でも伝説的なスターとして崇められている。彼女の主演作品は今見ても十分素晴らしく、その歌の魅力を再認識するのであるが、「ダンサー」として評価されることはまずない。ダンスでスターダムにのし上がったベラ―エレンやシド・シャリースなどに比べると、たしかにテクニックはないかもしれないが、「歌手がちょっと頑張ってダンスに挑戦しました」というレベルではない。今回は「ダンサー」としてのジュディー・ガーランドに注目してみたいと思います。

 

ジュディー・ガーランドは生まれた時からヴォ―ドビルの世界で育っているので、何でもできるのはあたりまえかもしれないが、その歌唱力とカリスマ性からか、ダンサーとしての見せ場がある作品は多くはない。その中で1943年の「Presenting Lilly Mars」のフィナーレナンバー「Broadway Rhythm」で彼女のダンサーとしての力量を見ることができる。振付師でのちに「イースターパレード」を監督したチャック・ウォルタースはそのナンバーでジュディーのパートナーを務めている。彼の指導力も大きかったと察するが、ここでのジュディーは、それまでの軽いダンスナンバーとはちがい、魅力的なデュオを繰り広げている。

「Presenting Lily Mars」での「Broadway Rhythm」

「For Me And My Gal」での「Ballin`The Jack」

ダンスを売りにしているスターのパフォーマンスのような、度肝を抜くテクニックはないのだが、ジュディーのダンス場面はどれもぎこちなさはなく、一見サラッとやっているように踊っている。しかしそれがいかに難しいことか、ダンスをやっている人でないと理解できない部分かもしれない。天才的大スター、ジュディー・ガーランドの力量の素晴らしさを再認識すると同時に、ジュディーと共演して彼女を上手に踊らせたチャック・ウォルターズやジーン・ケリーの指導力も評価すべきだと思う。

「Summer Stock」の納屋でのダンスナンバー
ジュディーがダンスだけで勝負した場面

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